長野県松本市 甲状腺 乳腺 丸山クリニック

甲状腺の病気について

週刊まつもと(平成21年4月)[健康万歳]に甲状腺の病気について記事が掲載されました。
以下に、本文を記載します。

[健康万歳・甲状腺の病気]


知っておきたい甲状腺の病気


甲状腺の病気は、成人女性の7人に1人と、女性に多く見られる病気です。甲状腺の代表的な
病気について、日本甲状腺学会認定専門医施設「丸山クリニック」(松本市渚2)の丸山正幸
院長に教えていただきました。


甲状腺って何?


甲状腺はのど仏の下にあり、蝶が羽を広げたような形をしている臓器です。約10〜20c程度
で、男性は女性より低い位置にあります。
甲状腺は、コンブなどの食物に含まれるヨードを材料に、甲状腺ホルモンを作って血液中に分
泌しています。甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を高め、体の成長発育やバランスを整える
働きをしています。
甲状腺ホルモンの分泌量は、脳下垂体がコントロールしています。脳下垂体から出される甲状
腺刺激ホルモン(TSH)が多いと、甲状腺はホルモンを多く分泌し、TSHが少なくなるとホルモ
ンの分泌を減らします。甲状腺に異常があり、甲状腺ホルモンが多すぎたり、少なすぎたりす
ると、体にさまざまな不快な症状が出てきます。


バセドウ病


甲状腺ホルモンが過剰に作られる「甲状腺機能亢進症」の代表的な病気が、「バセドウ病」で
す。
この病気は、甲状腺を刺激する抗体「TRAb」(TSH受容体抗体)により、甲状腺ホルモンの分
泌が多くなりすぎるために起こります。
主な症状は、▽甲状腺が腫れる▽疲れやすい▽手足がふるえる▽食べても太れない(やせ
た)▽脈がはやい▽動悸がする▽汗が増える▽イライラする▽下痢をしやすい−など。眼球の
突出は5人に1人程度で、タバコを吸っている人は出やすいようです。まぶたの筋肉が緊張し
て目を見開いたようになり、目が大きく見えることもあります。
検査では、血液中の甲状腺ホルモンやTSH、TRAbの数値を測定し、症状や甲状腺の腫れを
確認します。
治療には、次の3つがあります。
▽甲状腺ホルモンの合成を抑える薬の服用▽ラジオアイソトープによる放射線治療▽甲状腺
を少し残して切る取る手術−。
服薬治療は、外来ででき、薬でホルモン量をコントロールすれば、仕事や妊娠、出産もできま
す。反面、1年〜3年半と治療期間が長く、無顆粒球症(初期症状は熱が出る、のどが痛いな
ど風邪や扁桃腺に似た症状)などの副作用に注意が必要です。
アイソトープ治療は、アイソトープ(放射性物質)のカプセルを飲むだけと簡単で、外来で治療
ができます。これも日常生活における注意事項を守る必要があります。
いずれも、その人の状況に合わせ、専門医とよく相談して選びます。


橋本病


甲状腺の機能低下症の代表的な病気が「橋本病」です。橋本病の人は、血液中に甲状腺を異
物として攻撃する自己抗体(抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体)があり、これが原因で甲
状腺に慢性的な炎症が起こります。このため、甲状腺ホルモンの分泌も少なくなり、新陳代謝
も悪くなります。▽甲状腺が腫れる▽寒がりになる▽皮膚が乾燥する▽無気力になる▽疲れ
やすい▽むくみ▽便秘―などの症状が出ます。高脂血症に、橋本病が隠れていることもありま
す。
診断では、甲状腺の腫れ、症状、血液検査を行います。橋本病の人でも、甲状腺機能が正常
な場合は、特に治療の必要はありません。甲状腺機能が低下している場合は、甲状腺ホルモ
ンを補うために甲状腺ホルモン製剤を服用します。


その他の甲状腺の病気


甲状腺の病気はこのほかに、甲状腺がん、単純性甲状腺腫(甲状腺の腫れ)などいくつかの
病気があります。現在、日本で甲状腺の病気にかかっている人は400万人〜500万人。これ
は糖尿病の600万人に迫る多さです。中でもバセドウ病や橋本病は、女性に多く、男性の約1
0倍。身内に甲状腺の病気を患った人がいれば、1度は検査することを勧めます。


まとめ


甲状腺の病気は、全身にさまざまな症状が出ますが、何の病気か分かりにくく、自律神経失調
症や更年期障害、うつ病などと間違われることもあります。また、バセドウ病の人は、ほかの病
気の治療をする時に配慮が必要になります。甲状腺の病気が疑われる時は、早めに専門医
で診察を受け、適切な治療をすること。そうすれば、仕事や日常生活もふつうに送ることがで
き、妊娠や出産にも問題はありません。



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